news英国キングスカレッジスクール視察レポート

2019.09.19

ここ最近、子どもの海外進学を検討されいる方のご相談が増えています。日本の小学校で将来的には大学は海外、それを見据えて中学・高校までには海外へという方が大半です。ここ数年で、中国、香港、シンガポールなどのアジア諸国では海外留学の早期化が進み、小学校から海外進学する流れが多く見受けられます。日本でも今後このケースは増えると思われます。

今回は、英国の名門キングスカレッジスクール(KCS)を視察してきました。日本でもパートナーシップを組んでいる学校があるのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

英国キングスカレッジスクールについて

KCSは、インデペンデント・デイ・スクール(independent school)です。日本の私立学校にあたります。英国では、私学のことをIndependent Schoolといいます。KCSは、ボーディング(寮制)ではなくデイスクールです。1829年創立。当時はまだ教えている学校が少なかった科学をKCSは、1855年からマスターをアサインするなどして革新的な教育方針を行ってきました。1912年に現在のウィンブルドンへ校舎を移し、現在では、7歳から18歳の男子(女子は16-18歳のみ受け入れ)が在校しています。英国でも有名な進学校のひとつです。

参考:
キングスカレッジスクールGCSE 2019年度結果
キングスカレッジスクールスコアランク 2018年度 英国政府より

ウィンブルドンは、ロンドン市内から30分強と郊外にあります。家族世帯が多く、アパートやマンションというよりは戸建ての多い住宅街です。飲食店もローカルなものが多く、子育てするには安全な環境です。KCSの目の前には広い公園もあり、休日はペットや家族連れが多くやってきます。

まずはオープンスクールから

誰でも参加できるオープンスクール
英国進学を検討しているならば、ぜひ一度は足を運び事前に見ておきたいところ。英国では、各学校年に数回オープンスクールという誰でもが参加できる説明会があります。(日本の大学が行うオープンキャンパスのようなもの)基本的にはこの機会にしか見学できないので、進学を考えている学校の情報はこまめにチェックすることをおすすめします。9月は新学期がスタートしたばかりなので、オープンスクールをやっているのは珍しく、多くの学校は10月下旬から11月に行われます。今回のKCSのオープンスクールは、毎回150人程のセミナーが3回行われ、各回満員でした。アジア人はそれほどいませんでした。私が参加した回は日本人は1人でした。

オープンスクールの流れ
オープンスクールは、スクールツアーと学校案内のセミナーが行われます。KCSでは、ヘッドマスター(校長先生)自らが学校案内をしていました。30分程学校のこと、試験内容についての説明があった後、現役の生徒(小学生)がスクールツアーをしてくれました。
スクールツアーでは、各教室を見学しました。科学、数学、リーディング、美術など科目ごとの教室があり、実際に生徒たちが学んでいる様子を見ることができます。ディベートルームやドラマルーム(劇専用の教室)など、日本では珍しい教室もありました。

受験は1年前。ペーパーテストのスコアだけではない総合力が必要

今回は、Lower School という7歳~8歳からスタートする学年のヘッドマスターのお話をご紹介します。(Lower Schoolは日本の小学校にあたります。)KCSのLower Schoolの2020年度の試験応募締め切りは2019年9月。日本の小学校受験と違い、1年前に試験が始まる感覚です。小学校海外進学を検討されている方は、このあたり要注意です。試験では、子どもの面接、グループ行動観察、ペーパー(算数など)があります。どこかのタイミングで合否判断はされず、全ての項目を受験します。子どもの面接では、家族のこと、自分のことなど基本的な質問が多いようです。それに加え、リーディングチェックがあり、その読んだ内容について質問があります。時には、哲学的、道徳的な質問もされるそうです。例えに上がっていたのは、猟師がキツネを狩っていて逃してしまったというお話。猟師にキツネを射止めて欲しかったか、それともキツネが逃げてよかったと思うか。自分がどの立場によって感想は違えど、それを論理的に説明できるかどうか。行動観察では、実際にクラスに入って授業を受けたり、現役の学生とペアになって何かアクティビティをしたりします。計2時間~3時間とのこと。最後のペーパーテストは、算数、英語(国語)などこれから学校の授業を受けていくに十分な基礎力があるかどうかが試されます。特に難しいというよりは、基本があるかどうかの確認だそうです。聞いていて、日本の小学校受験と試される力は似ているなと感じました。基礎力を身に付け、英語がちゃんと入っていれば、日本からの海外進学も決して遠い道ではないと思いました。

日本との違い:表現力、論理的交渉力、総合的な学習時間

日本と似ているところがあるといえど、違いも多くあるなと感じました。スクールツアーで訪れたディベートルームやドラマルーム。ディベートルームの前には、KCSの学生が作ったトランプ政権についてのディベート内容が掲示してありました。日本の小学校で政治内容についてディベートする機会はほぼないのではないでしょうか。ディベートの先生にお話を伺うことができましたが、政治に関わらず自分の意見、考えを論理的に相手に伝わるように言葉にすることはライフスキルだと考え、それを子どもの頃からトレーニングすることが重要とおっしゃっていました。先生もたじたじになる場面もあるそうです。KCSは英国のディベート大会にも出場しています。
ドラマルームでは、先生が15名程の生徒と一緒に英語劇の練習をしていました。意味を理解し、感情をこめて表現するトレーニング、また息を合わせて全員での掛け声。表現力のみならずチームワークなど様々なことを学ぶことができます。
GKでも3か月に1度、英語劇やプレゼンテーション発表会を開催していますが、普段のレッスンでは学べないことが学べるので子ども達もそれをきっかけに成長しています。

GKでもサマープログラムでやったAll About Us. 自分のことを表現するトレーニング。7歳でやる内容。

英国紳士の原点

KCSの生徒たちを見ていると、英国紳士はこうやって出来上がっていくのだなと感じました。文武両道はもちろん、制服もきちんと着こなし、ジャケットやネクタイもきちんとしています。半ズボンを履いている子も、靴下がたるんでいるなんてことはありません。ご挨拶もきちんとできますし、言葉遣いもきれいです。スクールツアーでも、小学生の男子生徒が見学に来ているお母さま方のために率先してドアを開けていました。小さい頃からこういう環境で育つと特別にやろうと思わなくても自然に身につくものなのだと感じます。将来子供にどのようになってほしいかを考えその子にあった環境で学校生活を送ってもらいたいですね。

まとめ

今回KCSで私が参加したセミナーには日本人が1人しかいませんでした。朝からずっと学校にいましたが、中国人の方々はある一定数見かけたものの、日本人は見当たりませんでした。いたとしても2,3家族といったところではないでしょうか。ボーディングスクールや海外進学を検討しているとおっしゃる方は多いですが、実際に足を運んでいる方は少ないようです。確かに気軽に行けるわけではないですが、本気で考えているのであれば現実どのレベルを求められているか、一度見に行ってみることをおすすめします。本文に、基礎が入っていて英語があれば海外進学も遠くないと書きましたが、今の日本の小学生は年相応の英語力と総合力どちらも持ち合わせている学生はさほど多くないと思います。学校が意図していることは似ていますが、子供たちの実力には差があると感じました。将来、社会に出て一緒に仕事をするかもしれない人達です。後で苦労するよりは今準備しておいてあげたいですね。

☆お知らせ☆
9月28日(土)にプレゼンテーション、英語劇発表会を行います。
生徒のお知り合いの方、お友達、これからGKへの入会を検討されている方の参加も受け付けております。生徒以外の方は、事前お申込み制となりますのでスクールにお問い合わせください。